Cloud Sync
Cloud Sync を使用すると、ご使用の Synology NAS と、以下の例のような複数のパブリック クラウド サービス間でファイルを同期したり、共有したりすることができます。
- Amazon クラウド ドライブ
- Amazon S3 対応クラウドサービス(Amazon S3、HiCloud S3、SFR Stockage):
- Baidu クラウド
- ボックス
- Dropbox(Dropbox for Business も含む)
- Google クラウド ストレージ
- Google ドライブ
- hubiC
- Megafon Megadisk
- Microsoft OneDrive
- OpenStack Swift と互換性のあるクラウドサービス (IBM SoftLayer、HP Helion Cloud、RackSpace、RackSpace UK)
- WebDAV
- Yandex Disk
新しい接続の作成
Synology NAS とパブリック クラウド サービスの間でファイルを同期するには、ユーザー情報を使って Cloud Sync で接続を確立してサービス プロバイダーとリンクする必要があります。
新規の接続を作成する:
- Cloud Sync のユーザー インターフェイスで左下にある作成アイコンをクリックすると、ウィザードが起動します。
- ファイルを同期するパブリッククラウド サービスを選択し、[次へ] をクリックします。
- Dropbox、Baidu Cloud、Google ドライブ、Box、OneDrive、Amazon Cloud Drive、Megafon Megadisk、hubiC:自分のログイン情報でログインしてください。
- WebDAV:サーバー アドレス、アカウント、パスワードを入力します。
- Yandex:アカウントとパスワードを入力します。
- Google クラウド ストレージ:ユーザー資格情報によってログインし、次にプロジェクトIDとBucket名を入力します。
- OpenStack Swift:サーバーを選択し(IBM SoftLayer、HP Helion Cloud、RackSpace、RackSpace UK、またはサーバーのアドレスを直接入力し)、次に必要な情報を入力します。
- OpenStack 対応クラウド サービス:サーバー アドレス、あなたの名前、API KEY、コンテナ名を入力します。
- IBM Softlayer、RackSpace およびRackSpace UK:地域、ユーザー名、API キー、そしてコンテナー名を入力します。
- HP Helion Cloud:地域、プロジェクトID、ユーザー名、パスワード、そしてコンテナー名を入力します。
- S3:サーバーを選択し(Amazon S3、HiCloud S3、SFR Stockage、または直接サーバーアドレスを入力してください)、次に、アクセスキー、シークレットキー、Bucket 名を入力してください。ユーザーが指定した S3 サービスホストを入力したい場合は、S3 サーバーフィールドに「s3.amazonaws.com」または「api.suite-stockage-cloud.sfrbusinessteam.fr」などのように入力してください。
- 認証が完了したら、次の欄に入力して [次へ] をクリックします。
- タスク名: この名前は接続リストに表示されます。
- ローカル同期フォルダ パス:ファイルを保存するために、ローカル フォルダを同期先として選択します。
- 同期方向: 同期を双方向にするか、パブリッククラウドでの変更をローカルにのみ適用するのか、ローカルでの変更をパブリッククラウドにのみ適用するのかを選択します。
- サーバーサイドのデータ暗号化を有効にするには、チェックマークを付けてください。
- 同期したいフォルダを選択し、同期したくないフォルダのチェックマークを外してください。
- [適用] をクリックして、設定を保存します。
注意:
- 1 つのユーザー情報で 1 つの接続を作成することができます。異なるユーザー情報を使って複数の接続を作成することは可能ですが、同じユーザー情報で接続を重複することはできません。
- Baidu の制限上、Baidu クラウド ストレージの [マイアプリケーションのデータ] > [Cloud Sync] フォルダーにしかファイルを同期できません。
- ピリオド (.) またはスペースで終わるファイル名またはフォルダ名は、「ファイル名._DiskStation_変更日_TailCharacterConflict」のように名前が変更されます。
- WebDAV を介して Cubby を使用する場合、ファイルが含まれたフォルダを削除すると、同期後に Cubby サーバーがそれを作成し直します(たとえば、「フォルダ /A」を削除したとすると、Cubby がフォルダとそのコンテンツを「フォルダ /a」としてダウンロードします)。
- 一般的に、Cloud Sync で同期されないファイルがある場合は、次のような状況が考えられます。
- フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
* : ? \ / " < > |
- ファイル名が次のいずれかで始まる:
. _ ~ .SYNOPPSDB
- ファイル/フォルダ名が次のような名前であるか、次の文字列が含まれます:
.ds_store desktop.ini @eadir thumbs.db .SynologyWorkingDirectory #recycle Icon\r $Recycle.Bin @sharebin @SynologyCloudSync cloudsync_encrypt.info
- フォルダまたはファイルのパスが 2048 文字を超えている。
- ファイル名が 255 文字を超えている。
- 特殊なケースとして、Cloud Sync で同期されないファイルがある場合は、次のような状況が考えられます。
- Google ドライブの場合:
- Baidu Cloud の場合:
- ファイル名の先頭にピリオド (.) が使われている。
- ファイル/フォルダー名が次のような名前であるか、次の文字列が含まれる:
.baohe .cache
- Dropbox の場合:
- ファイル名が次のいずれかで始まる:
.dropbox
.cache
- ファイル/フォルダー名に次の文字列が使われている:.dropbox。
- Box の場合:
- 1つのファイルのサイズが 250 MB 以上。
- ファイルの形式が bookmark。
- OneDrive の場合:
- ファイルの形式が noteドキュメント。
- 1つのファイルのサイズが 10 GB 以上。
- hubiC の場合:
- 1つのファイルのサイズが 5 GB 以上。
- ファイル/フォルダ名に次の文字列が使われている:.ovhPub。
- Google クラウド ストレージの場合:
- 1つのファイルのサイズが 5 TB 以上。
- フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
:*?\"<>|\/#[]
- ファイル/フォルダー名は空白。
- フォルダまたはファイルのパスが 1024 文字を超えている。
- OpenStack Swift と互換性のあるクラウドサービス (IBM SoftLayer、HP Helion Cloud、RackSpace、RackSpace UK)の場合:
- フォルダまたはファイルのパスが 1024 文字を超えている。
- Amazon クラウド ドライブの場合:
- Amazon S3 対応クラウドサービス(Amazon S3、HiCloud S3、SFR Stockage):
- フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
:*?"<>|\/{^}%`][~#
- Amazon S3 および SFR ストレージ:
- フォルダまたはファイルのパスが 1024 文字を超えている。
- HiCloud S3:
- フォルダまたはファイルのパスが 255 文字を超えている。
- 1つのファイルのサイズが 1 TB 以上。
- Amazon S3 の場合:
- SFR:
- 同期したくないファイル名を設定する場合、Windows では、あるファイルの名前が大文字で、さらに小文字で同じ名前を持つファイルが別にある場合、それらは同じファイル名として認識されます(例:A.txt と a.txt)。しかし、Linux と Mac システムでは、これらは別のファイル名として認識されます。
- Cloud Sync は Microsoft OneDrive と同じように、OAuth 認証規格に準拠します。認証を完了するために、OAuth2 は別のサーバーを必要とします(Synology でホストされ、台湾にあります)。お使いの Synology NAS はお客様のアカウント パスワードを保存または維持しません。あなたのユーザー情報は、ファイルの転送と同期のためだけに使用されます。Cloud Sync は、連絡先などの個人的なアカウント情報にアクセスしたり、公開したりすることはありません。
- Cloud Sync はファイルあたりのサイズの上限を強要しません。パブリッククラウド サービスが許す範囲内でファイルを同期することができます。
- Megadisk へのサポートにより、Synology NAS を Megadisk のバックアップ ストレージとして使用することができます。地域と条件により、Synology NAS から Megadisk へのアップロード速度は変わりますのでご注意ください。このため、Megadisk を Synology NAS のバックアップ ストレージとしてご使用になることはお薦めしません。
- Google クラウド ストレージ Nearlineストレージクラス は、頻繁に修正されないデータ用に設計されています。したがって、ファイルを編集または削除する場合、早期削除手数料が適用されることがあります。
- Google クラウド ストレージにアップロードすると、Cloud Syncは、オブジェクトのバージョン管理はできなくなります。
- 単独のファイルが5 GBを超える場合、OpenStack Swift は、ダイナミック大オブジェクトを使ってそれをアップロードします。
- OpenStack Swift のコンテナー名は、255文字を超えることはできず、「/」を含むことはできません。
接続の管理
接続を作成したら、接続情報を見たり、同期タスクを変更したりすることができます。
接続を管理する:
- 左側のパネルの接続リストから、編集したい接続を選択します。
- 概要 タブで [管理] をクリックし、次の手順に従ってください。
- 同期を一時停止:同期を一時停止します。
- 同期を再開:同期を再開します。
- リンク解除:Synology NAS とパブリック クラウド サービスの接続を解除します。
Cloud Sync の高度な同期の設定を管理する
選択的同期は、ファイルをフィルター化したり、パブリック クラウドサービスに同期したいフォルダーを選択できる Cloud Sync に用意された機能です。選択的同期を活用すると、パブリック クラウドサービス上に必要なファイルだけを保管でき、またその逆も同じように可能です。
Cloud Sync 選択的同期の設定を管理する:
- ファイル フィルタータブを開き、ファイルサイズでフィルターの中でファイルの最大サイズを設定することで、特定のファイルが同期されないようにします。
- 最大ファイル サイズは 1 ~ 10240(MB) の範囲で設定してください。
- ファイル形式でフィルター の中で、ファイル名を入力するか、同期したくないファイルやファイルの拡張子のチェックマークを外したりすることで、特定のファイルが同期されないようにします。
- ファイル名:指定したファイル名を持つファイルは、パブリック クラウドと同期できません。ファイル名の最大長は、255 文字です。
- ファイル拡張子:指定したファイルの拡張子は、パブリック クラウドに同期されません。表、例えば *.iso に *.extension を追加します。ファイルの拡張子の最大長は、255 文字です。
- フォルダータブを開き、同期したいフォルダーを選択します。
- [適用] をクリックして、設定を保存します。
設定の管理
設定タブでは、タスクの全般的な設定やトラフィックコントロールの設定を行うことができます。また、Amazon S3 の冗長性の低減や Amazon S3 暗号化など、Amazon S3 の高度な設定を管理することもできます。
Cloud Sync の全般的な設定を管理する:
- 全般設定で以下を管理できます。
- タスク名:この名前は接続リストに表示されます。
- 投票期間:Cloud Sync がパブリッククラウドとの同期を完了した後、Cloud Sync が同期についてサーバーサイドにクエリーするレートです。
- 同期方向:双方向、 パブリッククラウドでの変更をローカルにのみ適用する、または、ローカルでの変更をパブリッククラウドにのみ適用するから選択します。
- [適用] をクリックして、設定を保存します。
転送時の暗号化を有効にする:
- 全般設定で [データを暗号化してからパブリッククラウドにアップロード] にチェックマークを付けます。
- 暗号化キーの設定画面で次を入力します:
- [OK] をクリックして、次に [適用] をクリックし設定を保存します。
注意:
- 暗号化を有効にしたら、これを無効にしたり、パスワードを変更したりすることはできなくなります。
- NAS 上のローカル ファイルは暗号化されません。
- パブリッククラウド アカウント毎に1つの暗号化キーがあります。
- 暗号化を有効にすると、Cloud Sync がパブリッククラウドに @SynologyCloudSync と言う名前のフォルダを作成します。そのフォルダのファイルは変更しないでください。
- 初めて使用するときには、設定にエクスポートボタンが表示されています。このボタンをクリックするとキーがエクスポートされ、安全な場所に保管されます。
Cloud Sync トラフィック コントロールを管理する:
- トラフィック コントロールでは、次のような制限を設定することができます。
- 1つの接続の最大アップロード率
- 1つの接続の最大ダウンロード率
- この値を 0 にすると、ファイル転送速度に制限がないことを意味します。
- [適用] をクリックして、設定を保存します。
S3 詳細設定を管理する:
- Amazon S3 詳細設定で以下を行います:
- Amazon S3 冗長性低減を有効にする
- Amazon S3 暗号化を有効にする
- Amazon S3 および HiCloud S3 のアップロードサイズを選択する
- SFR ストレージのアップロードサイズを選択する
- [適用] をクリックして、設定を保存します。
OpenStack Swift 詳細設定を管理するには:
- OpenStack Swift 詳細設定で以下を行います:
- [適用] をクリックして、設定を保存します。
DSM システム トレイから Cloud Sync を管理する
Cloud Sync をインストールして起動した後は、パッケージ アイコンが DSM システム トレイの右上に表示されます。Cloud Sync を簡単かつ効率よく管理し、システム トレイから次の操作を実行することができます。
- 最近変更したファイルの監視。
- 転送速度と現行の転送の進行状況の表示。
- 接続を一時停止または再開。
- ペア化した同期フォルダを開く。
- Cloud Sync の起動。
設定
Cloud Sync は、リンクしたアカウントの操作を履歴ログに記録します。ファイルを同期する度に、履歴ログが作成されます。左下隅にある設定 パネルで、リンクしたアカウントの履歴ログの記録数を指定してください。デフォルトは 20,000 ですが、各ファイルつきさらに多くの数を保存したい場合は、値を上げてください。
データベースの場所を指定する:
- データベースの場所設定ドロップダウン メニューでボリュームを選択します。
- [OK] をクリックして、設定を保存します。
履歴ログの最大記録数を指定する:
- 最大記録フィールドに 5 から 100000 の間で数字を入力します。
- [OK] をクリックして、設定を保存します。
上級者向け
確実にファイルやフォルダを同期させるには、次の点にご注意ください。
パブリック クラウド サービスに同期されないメタデータ:
- UNIX 読み書き権限および実行権限。
- Windows ACL。
- Mac の拡張属性。
- フォルダーが前回変更された時間。
- ファイルが前回変更された時刻(Dropbox および Baidu Cloud)。
- Synology NAS が Dropbox からリンクを解除したときに加えられた、ファイルの変更内容。Synology NAS を Dropbox に再リンクしたときに、ファイルが変更されているとしても、ファイル サイズが同じであれば、ローカル ファイルは Dropbox と同期されません。
競合するコピーに対するデフォルトの操作:
ローカル Synology NAS とリモート パブリック クラウド アカウントの両方で同時にファイルまたはディレクトリが変更された場合は、Cloud Sync はできるだけローカルの変更を維持しようとします。クラウド サービスがバージョニングに対応している場合は、リモートでの変更内容は 1 つのバージョンとして保存されます。
Cloud Sync が他のクラウド サービス PC のアプリケーションよりも遅いのはなぜですか?
次のような制限があるため、Cloud Sync ではパブリック クラウド サーバーとのファイル同期が、公式の PC アプリケーション(Dropbox や Baidu など)よりも遅くなる場合があります。
- クラウド サービス プロバイダーによる速度制限:この件に関して情報を発信しているパブリック クラウド サービスのプロバイダーはありませんが、パブリック クラウド サーバーは専用のトンネル/プロトコルを介して公式の PC アプリケーションと通信しているか、または常時彼らのサーバーにアクセスしているサードパーティのアプリケーション(Cloud Sync など)に帯域制限をかけている可能性があります。
- 更新が増加しない:一部のクラウド サービス プロバイダーは、デベロッパーに対してファイルの変更を追跡するためのパブリック API をリリースしていません。つまり、少しファイルを変更しただけでも、ファイルが更新されるたびに Cloud Sync は毎回ファイル全体を再ダウンロードして同期しなければなりません。一方、クラウド サービス プロバイダーの公式 PC アプリケーションは変更したビットだけを再ダウンロードして同期することができるため、同期時間が短くなります。
- ローカルネットワークが同期しない:一部のパブリック クラウド サービスのプロバイダーは、同一 LAN 内の既存のクライアントから 1 つのクライアントにファイルを取得させる技術である、LAN 同期を提供しているため、同期速度が飛躍的に高まります。ただし、LAN 同期はクライアント コンピュータに知らせずにそこにあるファイルにアクセスさせるため、セキュリティ上で問題があるかもしれません。この点から、Cloud Sync にはこの機能は含まれていません。
上記のような制限がありますが、Cloud Sync の同期性能を高めていくとともに、Synology NAS の安全性とセキュリティを維持してまいります。