Cloud Sync

Cloud Sync を使用すると、ご使用の Synology NAS と、以下の例のような複数のパブリック クラウド サービス間でファイルを同期したり、共有したりすることができます。

新しい接続の作成

Synology NAS とパブリック クラウド サービスの間でファイルを同期するには、ユーザー情報を使って Cloud Sync で接続を確立してサービス プロバイダーとリンクする必要があります。

新規の接続を作成する:

  1. Cloud Sync のユーザー インターフェイスで左下にある作成アイコンをクリックすると、ウィザードが起動します。
  2. ファイルを同期するパブリッククラウド サービスを選択し、[次へ] をクリックします。
  3. 認証が完了したら、次の欄に入力して [次へ] をクリックします。
  4. 同期したいフォルダを選択し、同期したくないフォルダのチェックマークを外してください。
  5. [適用] をクリックして、設定を保存します。

注意:

  1. 1 つのユーザー情報で 1 つの接続を作成することができます。異なるユーザー情報を使って複数の接続を作成することは可能ですが、同じユーザー情報で接続を重複することはできません。
  2. Baidu の制限上、Baidu クラウド ストレージの [マイアプリケーションのデータ] > [Cloud Sync] フォルダーにしかファイルを同期できません。
  3. ピリオド (.) またはスペースで終わるファイル名またはフォルダ名は、「ファイル名._DiskStation_変更日_TailCharacterConflict」のように名前が変更されます。
  4. WebDAV を介して Cubby を使用する場合、ファイルが含まれたフォルダを削除すると、同期後に Cubby サーバーがそれを作成し直します(たとえば、「フォルダ /A」を削除したとすると、Cubby がフォルダとそのコンテンツを「フォルダ /a」としてダウンロードします)。
  5. 一般的に、Cloud Sync で同期されないファイルがある場合は、次のような状況が考えられます。
    • フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
      * : ? \ / " < > |
    • ファイル名が次のいずれかで始まる:
      . _ ~ .SYNOPPSDB
    • ファイル/フォルダ名が次のような名前であるか、次の文字列が含まれます:
      .ds_store desktop.ini @eadir thumbs.db .SynologyWorkingDirectory #recycle Icon\r $Recycle.Bin @sharebin @SynologyCloudSync cloudsync_encrypt.info
    • フォルダまたはファイルのパスが 2048 文字を超えている。
    • ファイル名が 255 文字を超えている。
  6. 特殊なケースとして、Cloud Sync で同期されないファイルがある場合は、次のような状況が考えられます。
    • Google ドライブの場合:
      • 1つのファイルのサイズが 5 TB 以上。
    • Baidu Cloud の場合:
      • ファイル名の先頭にピリオド (.) が使われている。
      • ファイル/フォルダー名が次のような名前であるか、次の文字列が含まれる:
        .baohe .cache
    • Dropbox の場合:
      • ファイル名が次のいずれかで始まる:
        .dropbox
        .cache
      • ファイル/フォルダー名に次の文字列が使われている:.dropbox
    • Box の場合:
      • 1つのファイルのサイズが 250 MB 以上。
      • ファイルの形式が bookmark
    • OneDrive の場合:
      • ファイルの形式が noteドキュメント。
      • 1つのファイルのサイズが 10 GB 以上。
    • hubiC の場合:
      • 1つのファイルのサイズが 5 GB 以上。
      • ファイル/フォルダ名に次の文字列が使われている:.ovhPub
    • Google クラウド ストレージの場合:
      • 1つのファイルのサイズが 5 TB 以上。
      • フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
        :*?\"<>|\/#[]
      • ファイル/フォルダー名は空白。
      • フォルダまたはファイルのパスが 1024 文字を超えている。
    • OpenStack Swift と互換性のあるクラウドサービス (IBM SoftLayer、HP Helion Cloud、RackSpace、RackSpace UK)の場合:
      • フォルダまたはファイルのパスが 1024 文字を超えている。
    • Amazon クラウド ドライブの場合:
      • 1つのファイルのサイズが 10 MB 以上。
    • Amazon S3 対応クラウドサービス(Amazon S3、HiCloud S3、SFR Stockage):
      • フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
        :*?"<>|\/{^}%`][~#
      • Amazon S3 および SFR ストレージ:
        • フォルダまたはファイルのパスが 1024 文字を超えている。
      • HiCloud S3:
        • フォルダまたはファイルのパスが 255 文字を超えている。
        • 1つのファイルのサイズが 1 TB 以上。
      • Amazon S3 の場合:
        • 1つのファイルのサイズが 5 TB 以上。
      • SFR:
        • 1つのファイルのサイズが 3.9 GB 以上。
  7. 同期したくないファイル名を設定する場合、Windows では、あるファイルの名前が大文字で、さらに小文字で同じ名前を持つファイルが別にある場合、それらは同じファイル名として認識されます(例:A.txt と a.txt)。しかし、Linux と Mac システムでは、これらは別のファイル名として認識されます。
  8. Cloud Sync は Microsoft OneDrive と同じように、OAuth 認証規格に準拠します。認証を完了するために、OAuth2 は別のサーバーを必要とします(Synology でホストされ、台湾にあります)。お使いの Synology NAS はお客様のアカウント パスワードを保存または維持しません。あなたのユーザー情報は、ファイルの転送と同期のためだけに使用されます。Cloud Sync は、連絡先などの個人的なアカウント情報にアクセスしたり、公開したりすることはありません。
  9. Cloud Sync はファイルあたりのサイズの上限を強要しません。パブリッククラウド サービスが許す範囲内でファイルを同期することができます。
  10. Megadisk へのサポートにより、Synology NAS を Megadisk のバックアップ ストレージとして使用することができます。地域と条件により、Synology NAS から Megadisk へのアップロード速度は変わりますのでご注意ください。このため、Megadisk を Synology NAS のバックアップ ストレージとしてご使用になることはお薦めしません。
  11. Google クラウド ストレージ Nearlineストレージクラス は、頻繁に修正されないデータ用に設計されています。したがって、ファイルを編集または削除する場合、早期削除手数料が適用されることがあります。
  12. Google クラウド ストレージにアップロードすると、Cloud Syncは、オブジェクトのバージョン管理はできなくなります。
  13. 単独のファイルが5 GBを超える場合、OpenStack Swift は、ダイナミック大オブジェクトを使ってそれをアップロードします。
  14. OpenStack Swift のコンテナー名は、255文字を超えることはできず、「/」を含むことはできません。

接続の管理

接続を作成したら、接続情報を見たり、同期タスクを変更したりすることができます。

接続を管理する:

  1. 左側のパネルの接続リストから、編集したい接続を選択します。
  2. 概要 タブで [管理] をクリックし、次の手順に従ってください。

Cloud Sync の高度な同期の設定を管理する

選択的同期は、ファイルをフィルター化したり、パブリック クラウドサービスに同期したいフォルダーを選択できる Cloud Sync に用意された機能です。選択的同期を活用すると、パブリック クラウドサービス上に必要なファイルだけを保管でき、またその逆も同じように可能です。

Cloud Sync 選択的同期の設定を管理する:

  1. ファイル フィルタータブを開き、ファイルサイズでフィルターの中でファイルの最大サイズを設定することで、特定のファイルが同期されないようにします。
  2. ファイル形式でフィルター の中で、ファイル名を入力するか、同期したくないファイルやファイルの拡張子のチェックマークを外したりすることで、特定のファイルが同期されないようにします。
  3. フォルダータブを開き、同期したいフォルダーを選択します。
  4. [適用] をクリックして、設定を保存します。

設定の管理

設定タブでは、タスクの全般的な設定やトラフィックコントロールの設定を行うことができます。また、Amazon S3 の冗長性の低減や Amazon S3 暗号化など、Amazon S3 の高度な設定を管理することもできます。

Cloud Sync の全般的な設定を管理する:

  1. 全般設定で以下を管理できます。
  2. [適用] をクリックして、設定を保存します。

転送時の暗号化を有効にする:

  1. 全般設定[データを暗号化してからパブリッククラウドにアップロード] にチェックマークを付けます。
  2. 暗号化キーの設定画面で次を入力します:
  3. [OK] をクリックして、次に [適用] をクリックし設定を保存します。

注意:

Cloud Sync トラフィック コントロールを管理する:

  1. トラフィック コントロールでは、次のような制限を設定することができます。
  2. この値を 0 にすると、ファイル転送速度に制限がないことを意味します。
  3. [適用] をクリックして、設定を保存します。

S3 詳細設定を管理する:

  1. Amazon S3 詳細設定で以下を行います:
  2. [適用] をクリックして、設定を保存します。

OpenStack Swift 詳細設定を管理するには:

  1. OpenStack Swift 詳細設定で以下を行います:
  2. [適用] をクリックして、設定を保存します。

DSM システム トレイから Cloud Sync を管理する

Cloud Sync をインストールして起動した後は、パッケージ アイコンが DSM システム トレイの右上に表示されます。Cloud Sync を簡単かつ効率よく管理し、システム トレイから次の操作を実行することができます。

設定

Cloud Sync は、リンクしたアカウントの操作を履歴ログに記録します。ファイルを同期する度に、履歴ログが作成されます。左下隅にある設定 パネルで、リンクしたアカウントの履歴ログの記録数を指定してください。デフォルトは 20,000 ですが、各ファイルつきさらに多くの数を保存したい場合は、値を上げてください。

データベースの場所を指定する:

  1. データベースの場所設定ドロップダウン メニューでボリュームを選択します。
  2. [OK] をクリックして、設定を保存します。

履歴ログの最大記録数を指定する:

  1. 最大記録フィールドに 5 から 100000 の間で数字を入力します。
  2. [OK] をクリックして、設定を保存します。

上級者向け

確実にファイルやフォルダを同期させるには、次の点にご注意ください。

パブリック クラウド サービスに同期されないメタデータ:

競合するコピーに対するデフォルトの操作:

ローカル Synology NAS とリモート パブリック クラウド アカウントの両方で同時にファイルまたはディレクトリが変更された場合は、Cloud Sync はできるだけローカルの変更を維持しようとします。クラウド サービスがバージョニングに対応している場合は、リモートでの変更内容は 1 つのバージョンとして保存されます。

Cloud Sync が他のクラウド サービス PC のアプリケーションよりも遅いのはなぜですか?

次のような制限があるため、Cloud Sync ではパブリック クラウド サーバーとのファイル同期が、公式の PC アプリケーション(Dropbox や Baidu など)よりも遅くなる場合があります。

上記のような制限がありますが、Cloud Sync の同期性能を高めていくとともに、Synology NAS の安全性とセキュリティを維持してまいります。